独りよがりの境界線

ちゃんと話しなよ。

楽屋に入ろうとした瞬間、聞こえたのは松潤の少し怒ったような声だった。

今入ったらいけない気がして、ドアノブにかけた手を瞬時に引っ込めた。

中で誰かと言い争ってるみたいな声がする。

良くないことだと分かっていたけど、気になったから、そっとドアに耳をくっつけて、中の声を聞いてみる。

松潤も相手の人もイラついているような、怒っているような、そんな感じだけど、会話の内容がイマイチ聞こえてこなかった。

珍しいな、松潤が怒るなんて。

滅多に怒んないのに。

でも、相手の声ってカズじゃね?

あれ、おーちゃん、どーしたの?

相葉ちゃんの声が後ろから聞こえて、びっくりして勢いよく振り返った。

相葉ちゃんが心配そうな顔をして、駆け寄ってくる。

どーしてドア開けないのさ。

いや、なんか、松潤

松潤

おいらの話から要領を得ない相葉ちゃんが不思議そうな声を出したと同時に、ドアが勢いよく中から開いた。

ニノだった。

あっ、あい、ばさんっ?つっ、ごめっ。

ニノっ?

今にも泣きそうな、どこか怒っているような顔をしたカズは、相葉ちゃんしか見えてない感じで、そのまま階段の方へ駆けていってしまった。

ニノ!

かず!

相葉ちゃんやおいらが声をかけたのなんて、まるで聞こえてないみたいに、あっという間に廊下の角へ消えてしまって。

おーちゃん、追いかけて!

へっ?で、でもっ、

いいからっ。俺は松潤の方行くからっ、ね?

相葉ちゃんが強引においらの背中をバンって押して、おいらは危うくコケそうになった。

おいらは戸惑いつつも、ニノの後を追った。

短くてすみません。

キリがいいとこで切っています;